2016年12月5日 群馬大学医学部の患者講義について

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 私たちB型肝炎訴訟全国弁護団・原告団は、平成28年12月5日、群馬大学医学部において、もうじき臨床実習に臨む医学部の4年生(総勢107名)に対し、患者講義を行いました。これは、群馬大学医学部がカリキュラムの一環として実施しているものです。
 
 患者講義の全体の内容ですが、1.講義(弁護士および原告)を1時間、2.グループ討論を1時間、3.各グループから討論結果の発表を1時間、4.質疑応答などを30分というものでした。

 講義では、初めに、私から、(1)予防接種の歴史、(2)B型肝炎訴訟の歴史、そして、(3)提訴等における患者の負担(特に、提訴資料の収集の大変さ)についてお話しました。

 続いて、原告の方2名から、それぞれ、医師の問題ある言動やこれまで受けた差別・偏見、それらがもたらした苦しみや不安、母としての葛藤や悩みなどについて、実体験をもとにお話していただきました。

 グループ討論では、学生の各グループに原告や弁護士も加わり、①ウイルスの感染や肝炎発症を告知された時の気持ち、②家族や友人、職場の人らとの関係に対する影響、③医師や看護師などの言動によって嫌な思いをしたことがあること、④仕事や家族、日常生活の変化、⑤医師に対して感染患者として望むことなどについて話し合いました。
 これらのことについて、原告および学生から様々な意見が出ましたが、私が参加したグループでは、学生から、「患者が独りで苦しんでいること」、「同じ病気の仲間がいると心強くなること」、「公的援助の有無を知らない医師・患者もいること」、それ故、「地域(患者団体や市長村など)と患者が繋がることを促すことの必要性」などの話も出ました。

 「医師ですら、感染者の気持ちを理解してくれない。」と、患者に深い悲しみと苦しみを与えることがないよう、医療の現場における差別・偏見をなくし、患者の心を慮った医療がどの医療機関でも実現されるべきであり、今回のような授業は大変意義があると思っています。

 そして、学生が「医療現場」のみだけではなく、「患者の社会生活全般」についても考えてくれたことは、医療の現場を含め、広く社会における差別・偏見の解消に向け、少しずつ前進していると勝手ながら思いました。

 最後に、今回の患者講義にご参加してくださった原告の皆様、弁護士の全員にこの場を借りて、感謝申し上げます(弁護士 辻)。