医療シンポジウムのご報告。
遅くなりましたが、先月の医療シンポジウムのご報告をいたします。
以下、辻智之弁護士の報告です。
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平成27年10月11日(日)、前橋市民文化会館において、医療シンポジウムを開催しました。
シンポジウムには患者の方々が29名ほどご参加して下さいました。
シンポジウムの内容ですが、まず、全国B型肝炎訴訟東京弁護団群馬支部の支部長である藤倉眞弁護士から挨拶があり、阿部毅彦医師(前橋赤十字病院副院長)による講演「B型・C型肝炎の診断と治療~最新治療も含めて~」、続いて、菅俊治弁護士(全国B型肝炎訴訟東京弁護団事務局長)による報告「医療費助成制度の拡充を求める運動の情勢」というものでした。
阿部医師の講演では、B型・C型肝炎の機序などの基本知識をはじめ、診断方法や治療方法、最新の治療方法などについて、わかり易く、網羅的にご講演いただきました。現在の、将来の病状に対する不安を抱える患者の方々にとって、阿部医師の講演は、改めて肝炎のことを理解する契機となり、また、将来をより良く生きるための契機になったと思います。
菅弁護士の報告では、これまでの訴訟や活動の経緯をわかり易くご報告いただきました。報告を聞いて、私は、単に裁判で国の責任を認めさせるだけではなく、国民に問題を訴え、国を動かし、現実の政策に反映させていく活動の重要性を、これに携わった人々の苦労をまじまじと実感しました。また、これまでの活動によって獲得できた成果についてご報告していただくことにより、患者の方々には利用可能な医療費助成等の制度を知ってもらうことができ、患者の方々の生活をサポートする結果にもなったと思います。
肝炎については、病気自体の問題と、国の政策的な問題があります。
今後も、今回のようなシンポジウムを開催し、有益な情報を提供できる機会を設けたいと思っています。
そして、これからも、私たち弁護団は、国に対し、肝炎を取り巻く国の政策的問題を訴え、より良い制度が構築されるよう、患者や原告の皆様と一緒に活動していきたいと思っていますので、どうかよろしくお願いいたします(弁護士・辻)。